WordPressサイトを引っ越しする時、記事だけでなく画像も一緒に移行したいと思いませんか?実は、WordPressの標準機能では画像ファイルは別途移行が必要になります。
そんな面倒な作業を解決してくれるのが「Export Media with Selected Content」というプラグインです。このプラグインを使えば、記事と画像をまとめて移行できるようになります。
今回は、WordPress初心者でも簡単に使えるこのプラグインの使い方や特徴について、分かりやすく解説していきます。サイト移行で頭を悩ませていた方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
Export Media with Selected Contentって何?基本情報を知ろう
1. プラグインの正体を解明!作成者と最新版情報
Export Media with Selected Contentは、WordPressの記事と画像を一緒にエクスポートできる無料プラグインです。通常のエクスポート機能では記事のテキスト情報しか出力されませんが、このプラグインなら関連する画像ファイルも含めて出力できます。
開発者はMohammed Kaludi氏で、WordPress.orgの公式プラグインディレクトリで公開されています。2025年9月現在の最新バージョンは2.1.2となっており、定期的にアップデートが行われています。
項目 | 詳細情報 |
---|---|
プラグイン名 | Export Media with Selected Content |
開発者 | Mohammed Kaludi |
最新バージョン | 2.1.2 |
公開場所 | WordPress.org公式ディレクトリ |
ライセンス | GPL v2 |
2. 料金はタダ?気になるコスト面を調査
このプラグインは完全に無料で使用できます。WordPress.orgで配布されているプラグインなので、追加料金や有料プランは存在しません。
実は、多くのサイト移行プラグインが有料版でしか画像移行機能を提供していない中、これは貴重な存在です。たとえば、人気のAll-in-One WP Migrationは無料版だと容量制限があります。
料金プラン | 内容 |
---|---|
無料版のみ | 全機能が利用可能 |
有料版 | 存在しない |
利用制限 | なし |
広告表示 | なし |
3. どんな環境で動く?WordPress要件をチェック
このプラグインを使うには、いくつかの動作環境を満たす必要があります。ただし、要件は特別厳しいものではありません。
まず、WordPress 4.7以上が必要です。これは2016年にリリースされたバージョンなので、よほど古いサイトでない限り問題ないでしょう。PHP 7.0以上も推奨されていますが、現在ほとんどのレンタルサーバーは対応済みです。
動作要件 | 推奨バージョン |
---|---|
WordPress | 4.7以上 |
PHP | 7.0以上 |
MySQL | 5.6以上 |
メモリ | 128MB以上 |
対応ブラウザ | Chrome、Firefox、Safari、Edge |
ここで注意したいのは、大量の画像を扱う場合はサーバーのメモリ制限に気をつけることです。画像数が多いサイトでは、PHP のmax_execution_timeやmemory_limitの設定を確認しておくと安心です。
画像が消える問題を解決!このプラグインが必要な理由
1. WordPressの標準機能だけじゃダメな理由
WordPressには「ツール」→「エクスポート」という機能が最初から付いています。しかし、これだけでは記事の文章しか移行されません。画像ファイルは別途ダウンロードして、手作業でアップロードする必要があります。
たとえば、100記事あるブログを移行する場合を考えてみましょう。各記事に平均3枚の画像があれば、300枚の画像を一つずつ保存してアップロードしなければなりません。これは現実的ではありませんよね。
実は、この問題はWordPressの仕組み上避けられないものです。記事データとメディアファイルは別々のフォルダに保存されているため、標準機能では一緒にエクスポートできないのです。
2. 画像が勝手についてこない仕組みを理解
WordPressでは、記事の内容はデータベースに保存されます。一方、画像ファイルは「wp-content/uploads」フォルダに物理的に保存されています。
記事の中で画像を表示する時は、データベース上の記事テキストから画像ファイルのURLを参照する仕組みです。つまり、記事データだけをエクスポートしても、画像ファイル本体は含まれていません。
データの種類 | 保存場所 | エクスポート対象 |
---|---|---|
記事テキスト | データベース | 標準機能で可能 |
画像ファイル | uploadsフォルダ | 標準機能では不可 |
画像URL情報 | データベース | 標準機能で可能 |
ここで重要なポイントは、移行先サイトでは画像URLが異なることです。元のサイトの画像URLを参照したままでは、当然画像は表示されません。
3. アイキャッチ画像も一緒に引っ越しできる魅力
Export Media with Selected Contentの優れた点は、記事本文内の画像だけでなく、アイキャッチ画像も自動的に移行してくれることです。
通常の移行作業では、アイキャッチ画像の設定も手作業で行う必要があります。しかし、このプラグインなら記事とアイキャッチ画像の関連付けも維持されます。
さらに、ギャラリー機能で使用している画像も正しく移行されます。WordPressのギャラリーは複数の画像を一度に表示する機能ですが、これも問題なく引き継がれるのです。
移行される画像の種類 | 標準機能 | このプラグイン |
---|---|---|
記事本文内の画像 | ✗ | ✓ |
アイキャッチ画像 | ✗ | ✓ |
ギャラリー画像 | ✗ | ✓ |
画像の代替テキスト | ✗ | ✓ |
実際に使ってみよう!インストールから設定まで
1. プラグインを探してインストールする手順
プラグインのインストールは、WordPressの管理画面から簡単に行えます。まず「プラグイン」→「新規追加」をクリックしましょう。
検索ボックスに「Export Media with Selected Content」と入力すると、該当するプラグインが表示されます。プラグイン名が長いので、「export media selected」程度の短縮検索でも見つかります。
「今すぐインストール」ボタンをクリックすれば、自動的にダウンロードとインストールが完了します。ここで注意したいのは、似た名前のプラグインもあることです。開発者名がMohammed Kaludiであることを確認してからインストールしましょう。
インストール手順 | 操作 |
---|---|
1. プラグイン画面へ | 管理画面 → プラグイン → 新規追加 |
2. 検索 | 「Export Media with Selected Content」 |
3. インストール | 「今すぐインストール」ボタン |
4. 確認事項 | 開発者名がMohammed Kaludi |
2. 有効化してオプションを確認する方法
インストールが完了したら「有効化」ボタンをクリックします。有効化すると、WordPressの標準エクスポート画面に新しいオプションが追加されます。
実は、このプラグインには独立した設定画面がありません。既存のエクスポート機能を拡張する形で動作するため、設定もシンプルです。
「ツール」→「エクスポート」画面を開くと、「Export media with selected content」というチェックボックスが新たに表示されているはずです。これがこのプラグインが追加した機能です。
3. エクスポート画面で新しい選択肢を見つける
エクスポート画面では、従来の選択肢に加えて画像も一緒にエクスポートするオプションが使えるようになります。
通常のエクスポートでは「すべてのコンテンツ」「投稿」「固定ページ」などを選択できます。このプラグインを有効化すると、どの選択肢でも「Export media with selected content」にチェックを入れられます。
ただし、画像ファイルが多い場合はエクスポートファイルのサイズが大きくなります。サーバーの容量制限やタイムアウト設定に注意が必要です。
エクスポートオプション | 従来 | プラグイン使用時 |
---|---|---|
コンテンツのみ | ✓ | ✓ |
メディアファイル込み | ✗ | ✓ |
ファイルサイズ | 小さい | 大きい |
処理時間 | 短い | 長い |
記事をまとめて移行!具体的な使い方を覚えよう
1. カテゴリーや投稿者で記事を選び分ける方法
Export Media with Selected Contentの便利な点は、特定の記事だけを選んで移行できることです。全サイトではなく、一部のコンテンツだけを移行したい場合に重宝します。
エクスポート画面では「投稿」を選択すると、詳細な絞り込み条件を指定できます。たとえば、特定のカテゴリーに属する記事だけを移行することが可能です。
投稿者での絞り込みも便利な機能です。複数人でサイトを運営している場合、特定のライターが書いた記事だけを移行したい時に活用できます。
絞り込み条件 | 選択可能な項目 |
---|---|
カテゴリー | 全カテゴリー or 特定カテゴリー |
投稿者 | 全投稿者 or 特定投稿者 |
日付範囲 | 開始日〜終了日 |
投稿ステータス | 公開済み、下書きなど |
2. Export media with selected contentにチェックを入れる
絞り込み条件を設定したら、忘れずに「Export media with selected content」にチェックを入れます。このチェックを忘れると、従来通り記事データのみのエクスポートになってしまいます。
チェックを入れた状態でエクスポートを実行すると、プラグインが自動的に関連する画像ファイルを探し出します。記事本文内で使用されている画像や、アイキャッチ画像も含まれます。
ここで注意したいのは、処理時間が通常より長くなることです。画像ファイルの数が多いほど時間がかかるため、余裕を持って実行しましょう。
3. エクスポートファイルをダウンロードする手順
「エクスポートファイルをダウンロード」ボタンをクリックすると、処理が開始されます。画像が多い場合は数分から十数分かかることもあります。
処理が完了すると、XMLファイルとZIPファイルがダウンロードされます。XMLファイルには記事データが、ZIPファイルには画像ファイルが含まれています。
実は、このプラグインの優れた点は、画像のフォルダ構造も維持することです。元のサイトでの画像の整理状態が、移行先でも再現されます。
ダウンロードファイル | 内容 | ファイル形式 |
---|---|---|
記事データ | テキスト、設定情報 | XML形式 |
画像ファイル | JPG、PNG、GIFなど | ZIP圧縮 |
フォルダ構造 | 年月別の整理状態 | そのまま維持 |
移行先での作業も簡単!インポートのやり方
1. 移行先のWordPressでインポート画面を開く
移行先のWordPressサイトでは、まず「ツール」→「インポート」画面を開きます。ここで「WordPress」の「今すぐインストール」をクリックして、WordPress Importerプラグインを有効化します。
WordPress Importerは、WordPressの標準的なインポート機能を提供するプラグインです。Export Media with Selected Contentでエクスポートしたファイルも、このImporterで読み込めます。
実は、多くの人がこのImporterプラグインの存在を忘れがちです。新しいWordPressサイトには最初からインストールされていないため、別途インストールが必要になります。
2. ダウンロードしたファイルをアップロードする
WordPress Importerを有効化したら、「実行」ボタンをクリックしてインポート画面に進みます。ここで、先ほどダウンロードしたXMLファイルをアップロードします。
アップロード後、インポートオプションを設定する画面が表示されます。投稿者の割り当てや、既存コンテンツとの重複処理方法を選択できます。
「添付ファイルをダウンロードしてインポートする」というオプションにチェックを入れることが重要です。このオプションにより、画像ファイルも自動的に取り込まれます。
インポート設定項目 | 推奨設定 |
---|---|
投稿者の割り当て | 既存ユーザーまたは新規作成 |
添付ファイル | 「ダウンロードしてインポート」にチェック |
重複コンテンツ | スキップまたは更新 |
カテゴリー・タグ | 自動作成 |
3. 画像が正しく移行されたか確認するポイント
インポートが完了したら、画像が正しく表示されているか確認しましょう。まず、記事を開いて本文内の画像が表示されているかチェックします。
次に、アイキャッチ画像の設定も確認します。記事一覧画面や個別記事ページで、アイキャッチ画像が正しく表示されていれば成功です。
メディアライブラリも確認してみましょう。「メディア」→「ライブラリ」を開くと、移行された画像ファイルが一覧表示されます。ファイル名や日付も元のサイトと同じになっているはずです。
確認ポイント | 確認方法 |
---|---|
記事内画像 | 個別記事を表示して目視確認 |
アイキャッチ画像 | 記事一覧とトップページで確認 |
メディアライブラリ | 管理画面のライブラリで確認 |
画像URL | ソースコードで新しいドメインになっているか確認 |
うまくいかない時の対処法!よくあるトラブルと解決策
1. 画像が表示されない時の原因と対策
画像が表示されない場合、まず考えられるのがファイルパスの問題です。移行先サイトでドメイン名が変わっている場合、画像のURLが古いドメインを参照している可能性があります。
このような場合は、Search Replace DBというツールを使ってデータベース内のURLを一括置換します。ただし、データベース操作は慎重に行う必要があります。
もう一つの原因として、サーバーのファイルパーミッション設定が考えられます。uploadsフォルダの書き込み権限が正しく設定されていないと、画像ファイルがアップロードされません。
トラブル原因 | 対処方法 |
---|---|
古いドメインURL | Search Replace DBで一括置換 |
ファイルパーミッション | uploadsフォルダを755または777に設定 |
ファイルサイズ制限 | php.iniのupload_max_filesizeを増加 |
メモリ不足 | memory_limitを256M以上に設定 |
2. ギャラリーが壊れた時の修正方法
WordPressのギャラリー機能を使用している記事で、画像が正しく表示されない場合があります。これは、ギャラリーが画像IDを参照しているためです。
移行によって画像のIDが変更されると、ギャラリーのショートコードが正しく動作しなくなります。この場合は、記事を編集してギャラリーを再設定する必要があります。
幸い、Export Media with Selected Contentは画像IDの関連付けも保持するため、このトラブルは比較的少ないです。ただし、発生した場合は手動修正が必要になります。
3. 画像サイズ設定の注意点を理解する
WordPressでは、アップロードした画像から複数のサイズが自動生成されます。サムネイル、中サイズ、大サイズなどです。これらのサイズ設定が移行先サイトで異なると、表示が崩れる可能性があります。
移行前に「設定」→「メディア」で画像サイズ設定を確認しておきましょう。移行先でも同じサイズ設定にしておくと、レイアウト崩れを防げます。
また、テーマによって独自の画像サイズが定義されている場合もあります。移行先で異なるテーマを使用する場合は特に注意が必要です。
画像サイズの種類 | 一般的な設定値 | 用途 |
---|---|---|
サムネイル | 150×150px | 記事一覧など |
中サイズ | 300×300px | 記事本文内 |
大サイズ | 1024×1024px | 詳細表示 |
フルサイズ | 元画像のまま | オリジナル |
他のプラグインと比較!どれを選ぶべき?
1. All-in-One WP Migrationとの違いを知る
All-in-One WP Migrationは、サイト全体を丸ごと移行できる人気プラグインです。しかし、無料版では512MBまでの容量制限があります。
一方、Export Media with Selected Contentは容量制限がありませんが、サイト全体ではなく選択したコンテンツのみの移行となります。どちらを選ぶかは、移行の目的によって決まります。
全サイト移行なら All-in-One WP Migration(有料版)、部分移行なら Export Media with Selected Content が適しています。
比較項目 | All-in-One WP Migration | Export Media with Selected Content |
---|---|---|
移行範囲 | サイト全体 | 選択したコンテンツのみ |
容量制限(無料版) | 512MB | なし |
料金 | 無料版あり(制限付き) | 完全無料 |
操作の簡単さ | ワンクリック移行 | 標準的なエクスポート/インポート |
2. Duplicatorと比べたメリット・デメリット
Duplicatorも人気の移行プラグインです。サイト全体のパッケージを作成して、新しいサーバーに展開できます。
Duplicatorの利点は、データベースとファイルを一度に移行できることです。ただし、大規模サイトでは処理に時間がかかり、失敗することもあります。
Export Media with Selected Contentは部分移行に特化しているため、必要な部分だけを確実に移行できます。リスクを抑えた移行が可能です。
特徴 | Duplicator | Export Media with Selected Content |
---|---|---|
移行方式 | パッケージ作成→展開 | エクスポート→インポート |
安定性 | 大規模サイトで不安定 | 安定している |
部分移行 | 不可 | 可能 |
学習コスト | 高い | 低い |
3. 用途に合わせた選び方のコツ
プラグイン選びで最も重要なのは、移行の目的を明確にすることです。サイト全体を移行するなら All-in-One WP Migration や Duplicator が適しています。
一方、以下のような場合は Export Media with Selected Content がおすすめです:
- 特定カテゴリーの記事だけを移行したい
- 複数サイトからコンテンツを集約したい
- テスト環境で一部機能を検証したい
- 無料で確実に移行したい
実は、移行プラグインの選択で失敗する人の多くが、用途と機能のミスマッチを起こしています。シンプルな部分移行なら、複雑な機能は不要です。
移行の目的 | 推奨プラグイン | 理由 |
---|---|---|
サイト全体移行 | All-in-One WP Migration | ワンクリックで簡単 |
大規模サイト移行 | 手動移行またはプロに依頼 | 安定性重視 |
部分移行 | Export Media with Selected Content | 柔軟性と確実性 |
テスト移行 | Duplicator | 開発者向け機能豊富 |
まとめ
Export Media with Selected Content は、WordPressの部分移行において非常に実用的なプラグインです。無料でありながら、記事と画像を確実に移行できる機能は他にない魅力といえます。
特に、カテゴリーや投稿者での絞り込み機能は、複数サイトの統合や特定コンテンツの移行において重宝します。操作も WordPress の標準機能を拡張する形なので、学習コストが低いのも嬉しいポイントです。
ただし、サイト全体を丸ごと移行したい場合は、All-in-One WP Migration などの専用プラグインの方が効率的でしょう。用途に応じてプラグインを選び分けることで、スムーズなサイト移行が実現できます。