WordPressでお問い合わせフォームを作りたい。そう思って調べると、必ず候補に上がるのが「MW WP Form」です。
なぜこのプラグインが人気なのでしょうか?実は、他の海外製フォームプラグインとは決定的に違う特徴があります。それは日本人の開発者が作った「日本語完全対応」のプラグインだということです。
ただし、ここで重要なお知らせがあります。MW WP Formは2023年9月に開発終了が発表されました。現在も使えますが、今後の動向を知った上で検討することが大切です。
この記事では、MW WP Formの基本情報から導入方法、そして開発終了後の対応策まで、初心者にもわかりやすく解説します。まずは基本的な情報から見ていきましょう。
MW WP Formってどんなプラグイン?まずは基本をおさえよう
1. 日本人が作った日本語に強いフォームプラグインの正体
MW WP Formは、日本人開発者のキタジマタカシ氏が制作したWordPress用フォームプラグインです。最大の特徴は、日本のWebサイト運営に必要な機能を最初から搭載していることです。
たとえば、海外のプラグインでよくある問題をご存知でしょうか?日本語の文字化けや、郵便番号から住所を自動入力する機能がないといった不便さです。MW WP Formなら、こうした問題は一切ありません。
実は、このプラグインが登場する前は、Contact Form 7というプラグインが主流でした。しかし、Contact Form 7には確認画面がありません。日本のWebサイトでは「入力内容を確認してから送信する」のが一般的ですよね。MW WP Formは、この日本独特のユーザー体験に配慮して作られているのです。
2. 無料で使えるのに高機能!MW WP Formの料金とライセンス
MW WP Formの料金体系はシンプルです。完全無料で使えます。
項目 | 内容 |
---|---|
料金 | 無料 |
ライセンス | GPLライセンス(オープンソース) |
商用利用 | 可能 |
サポート | コミュニティベース |
アップデート | 自動更新対応 |
ただし、無料だからといって機能が制限されているわけではありません。むしろ、有料プラグインに匹敵する豊富な機能を提供しています。これは、開発者が「日本のWebサイト制作者に使いやすいツールを提供したい」という想いで開発したからです。
3. 開発者キタジマタカシ氏が込めた想いと開発背景
キタジマタカシ氏がMW WP Formを開発した理由は明確でした。既存のフォームプラグインでは、日本のWebサイトで求められる機能が不十分だったからです。
特に重視したのは以下の点です:
重視した機能 | 理由 |
---|---|
確認画面の標準搭載 | 日本のWebサイトの慣習に合わせるため |
日本語バリデーション | 全角・半角の厳密な判定が必要 |
郵便番号連動機能 | 日本の住所入力を効率化 |
HTMLカスタマイズ自由度 | デザイナーの要望に応えるため |
実は、このプラグインの開発には長い時間がかけられました。単に機能を追加するだけでなく、日本のWeb制作現場での実際の使い勝手を何度も検証したのです。その結果、「使いやすさ」と「柔軟性」を両立したプラグインが完成しました。
他のフォームプラグインと何が違うの?MW WP Formの3つの魅力
1. 確認画面と完了画面が最初から付いてくる親切設計
MW WP Formの最大の魅力は、確認画面と完了画面が標準搭載されていることです。これが他のプラグインとの決定的な違いです。
日本のWebサイトユーザーは、フォーム送信前に入力内容を確認したいと思うものです。Contact Form 7など海外製プラグインでは、この機能を追加するために別途プラグインやカスタマイズが必要でした。
MW WP Formなら、以下の画面遷移が最初から可能です:
画面 | 機能 |
---|---|
入力画面 | ユーザーが情報を入力 |
確認画面 | 入力内容を再確認 |
完了画面 | 送信完了を表示 |
この親切な設計により、ユーザーは安心してフォームを送信できます。企業サイトや公式サイトでも安心して使える品質を保っているのです。
2. 日本語バリデーション機能で海外スパムをしっかりブロック
MW WP Formには、日本語特有のバリデーション機能が充実しています。これは海外スパム対策として非常に効果的です。
具体的には、以下のようなチェック機能があります:
バリデーション項目 | 効果 |
---|---|
ひらがな・カタカナ判定 | 名前欄の正確性向上 |
全角・半角の厳密チェック | 電話番号・郵便番号の統一 |
日本語メールアドレス対応 | 多様なメール形式に対応 |
必須項目の日本語エラー表示 | ユーザーにわかりやすい案内 |
たとえば、お名前欄で「ひらがな入力必須」に設定すれば、海外からの自動スパムの多くを防げます。なぜなら、海外の自動投稿ツールは日本語の入力パターンに対応していないからです。
3. HTMLとCSSで自由自在!思い通りのデザインが作れる柔軟性
MW WP Formのもう一つの魅力は、デザインカスタマイズの自由度の高さです。HTMLとCSSの知識があれば、思い通りのフォームデザインが作れます。
他のプラグインとの違いを見てみましょう:
比較項目 | MW WP Form | Contact Form 7 | Gravity Forms |
---|---|---|---|
HTML編集 | 完全自由 | 制限あり | テンプレート式 |
CSS適用 | 自由度高 | 標準的 | 有料版で拡張 |
レスポンシブ対応 | 手動設定 | 基本対応 | 自動対応 |
デザイン工数 | 高(柔軟性重視) | 中 | 低(簡単重視) |
ここで注意したいのは、自由度が高い分、初心者には少し難しく感じるかもしれません。しかし、基本的なお問い合わせフォームなら、デフォルトのデザインでも十分実用的です。
WordPress初心者でも大丈夫!MW WP Formの導入手順
1. プラグインのインストールから有効化まで3分でできる簡単設定
MW WP Formのインストールは、他のWordPressプラグインと同じ手順です。まったくの初心者でも3分程度で完了します。
インストール手順:
ステップ | 操作内容 | 所要時間 |
---|---|---|
1 | WordPress管理画面にログイン | 30秒 |
2 | 「プラグイン」→「新規追加」をクリック | 10秒 |
3 | 検索欄に「MW WP Form」と入力 | 10秒 |
4 | 「今すぐインストール」をクリック | 30秒 |
5 | インストール完了後「有効化」をクリック | 10秒 |
6 | 管理画面に「MW WP Form」メニューが表示される | 確認 |
ここで重要なポイントがあります。インストール後、管理画面の左メニューに「MW WP Form」という項目が表示されていることを確認してください。これが表示されていれば、インストール成功です。
2. 基本的なお問い合わせフォームを作る8つのステップ
実際にお問い合わせフォームを作ってみましょう。MW WP Formでは、以下の8ステップで基本フォームが完成します。
フォーム作成の詳細手順
ステップ | 操作内容 | 設定項目 |
---|---|---|
1 | 「MW WP Form」→「新規追加」 | フォームタイトル入力 |
2 | フォーム設定画面を開く | 基本設定の確認 |
3 | 必要項目を追加 | お名前・メール・件名・内容 |
4 | バリデーション設定 | 必須項目・文字種制限 |
5 | 確認画面のデザイン調整 | 表示項目の選択 |
6 | 完了画面のメッセージ設定 | 送信完了時の表示内容 |
7 | 自動返信メール設定 | 送信者への確認メール |
8 | 管理者通知メール設定 | 問い合わせ受信時の通知 |
このうち、最低限設定が必要なのはステップ1〜4です。残りは必要に応じて設定すれば問題ありません。
3. ショートコードをページに貼り付けるだけで完成!
フォーム作成後は、生成されたショートコードをページに貼り付けるだけです。これがWordPressプラグインの便利なところですね。
ショートコード設置手順:
手順 | 操作 | 注意点 |
---|---|---|
1 | フォーム編集画面でショートコードをコピー | [mwform_formkey key=”○○”] 形式 |
2 | 設置したいページの編集画面を開く | 固定ページ推奨 |
3 | ショートコードを貼り付け | テキストエディタで貼り付け |
4 | ページを更新・公開 | 必ず動作確認を実施 |
たとえば、「お問い合わせ」という固定ページを作成し、そこにショートコードを貼り付けるのが一般的です。実は、この方法なら5分程度でお問い合わせページが完成します。
フォーム作成で知っておきたい便利な機能とカスタマイズ術
1. 住所自動入力機能で利用者の手間を大幅カット
MW WP Formには、郵便番号から住所を自動入力する機能があります。これは日本のWebサイトでは必須といえる便利機能です。
住所自動入力機能の設定項目:
設定項目 | 機能内容 | ユーザーメリット |
---|---|---|
郵便番号フィールド | 7桁の番号を入力 | ハイフンあり・なし両対応 |
都道府県自動入力 | 郵便番号から自動判定 | 選択の手間を削減 |
市区町村自動入力 | 詳細住所まで自動表示 | 入力ミスを防止 |
番地入力フィールド | 手動入力が必要な部分 | 最小限の入力で完了 |
この機能により、ユーザーは郵便番号を入力するだけで住所の大部分が自動入力されます。入力時間の短縮と入力ミスの防止という、一石二鳥の効果があるのです。
2. 入力チェック(バリデーション)で正確な情報収集を実現
MW WP Formのバリデーション機能は非常に柔軟です。単純な必須チェックから、複雑な条件分岐まで対応できます。
バリデーション設定の種類:
バリデーション種類 | 用途 | 設定例 |
---|---|---|
必須入力チェック | 必ず入力してほしい項目 | お名前、メールアドレス |
文字数制限 | 適切な長さの入力を促す | 件名20文字以内 |
文字種制限 | 入力形式の統一 | 電話番号は半角数字のみ |
メール形式チェック | 正確なメールアドレス収集 | @マーク含有チェック |
数値範囲チェック | 適切な数値入力 | 年齢は0-120の範囲 |
ここで注意したいのは、バリデーションが厳しすぎるとユーザーが離脱してしまうことです。必要最小限の制限に留めることが重要です。
3. データのCSV出力でお問い合わせ管理がもっと楽になる
MW WP Formに送信されたデータは、CSV形式でダウンロードできます。これにより、Excel等での管理や分析が可能になります。
CSV出力機能の活用法:
活用方法 | メリット | 具体的な使い方 |
---|---|---|
顧客リスト作成 | 営業活動に活用 | メールアドレス・連絡先の整理 |
問い合わせ分析 | サービス改善に役立つ | 問い合わせ内容の傾向分析 |
外部システム連携 | 業務効率化 | CRMシステムへのデータ移行 |
バックアップ | データ保全 | 定期的なデータ保存 |
たとえば、月末にCSVデータをダウンロードして、問い合わせ件数の推移をグラフ化するといった使い方ができます。データドリブンな運営には欠かせない機能です。
【重要】MW WP Form開発終了!今後どうすればいいの?
1. 2023年9月の開発終了発表で何が変わったのか
2023年9月、MW WP Formの開発終了が正式に発表されました。これは多くのWebサイト運営者にとって大きなニュースでした。
開発終了に伴う変化:
項目 | 変更前 | 変更後 |
---|---|---|
新機能追加 | 定期的にアップデート | 新機能の追加は停止 |
バグ修正 | 積極的に対応 | 重大なバグのみ対応 |
セキュリティ対応 | 迅速な対応 | 最低限の対応 |
技術サポート | コミュニティで活発 | 段階的に縮小 |
WordPress最新版対応 | 確実に対応 | 遅れる可能性あり |
ただし、すぐに使えなくなるわけではありません。現在も別の制作会社が最低限のメンテナンスを引き継いでいます。しかし、長期的な利用には不安が残るのが実情です。
2. セキュリティリスクを避けるために知っておくべきこと
開発終了で最も心配なのがセキュリティ面です。新しい脆弱性が発見されても、迅速な修正が期待できません。
セキュリティ対策として確認すべき点:
確認項目 | リスクレベル | 対処方法 |
---|---|---|
プラグインの更新状況 | 高 | 定期的な更新確認 |
WordPress本体との互換性 | 中 | バージョンアップ時の動作確認 |
既知の脆弱性情報 | 高 | セキュリティ情報の定期チェック |
サイト全体のセキュリティ | 中 | セキュリティプラグインの導入 |
実は、プラグインのセキュリティリスクは段階的に高まります。最初は問題なくても、時間が経つにつれてリスクが増大するのです。
3. 現在使っている人が今すぐ確認したいポイント
既にMW WP Formを使っている方は、以下の点を確認してください:
緊急度別チェックリスト:
緊急度 | 確認項目 | 対処期限 |
---|---|---|
高 | フォームの動作確認 | 今すぐ |
高 | データのバックアップ | 1週間以内 |
中 | 移行先の検討 | 3ヶ月以内 |
中 | 移行計画の策定 | 6ヶ月以内 |
低 | 実際の移行作業 | 1年以内 |
特に重要なのは、蓄積されたお問い合わせデータのバックアップです。CSV出力機能を使って、必ずデータを保存しておきましょう。
代替ツールはどれがいい?移行先候補を比較してみよう
1. Snow Monkey Forms:同じ開発者による後継プラグイン
MW WP Formの代替として最も注目されているのが「Snow Monkey Forms」です。実は、これもキタジマタカシ氏が関わっているプラグインです。
Snow Monkey Formsの特徴比較:
項目 | MW WP Form | Snow Monkey Forms |
---|---|---|
開発状況 | 終了 | 積極的に開発中 |
確認画面 | あり | あり |
日本語対応 | 完璧 | 完璧 |
カスタマイズ性 | 高 | 高 |
学習コスト | 中 | 中(MW WP Form経験者は低) |
料金 | 無料 | 無料 |
Snow Monkey Formsの最大のメリットは、MW WP Formとの操作感が似ていることです。移行時の学習コストが最小限で済みます。
2. Contact Form 7:定番プラグインのメリットとデメリット
WordPress界では最も有名なフォームプラグインがContact Form 7です。世界中で使われており、安定性は抜群です。
Contact Form 7との詳細比較:
比較項目 | Contact Form 7 | MW WP Form |
---|---|---|
ユーザー数 | 500万以上 | 数十万 |
開発の安定性 | 非常に高い | 終了 |
確認画面 | なし(拡張必要) | 標準搭載 |
日本語バリデーション | 基本的 | 高機能 |
サポート情報 | 豊富 | 限定的 |
初心者向け | やや難しい | 中程度 |
ただし、Contact Form 7には確認画面がありません。日本のWebサイトで使う場合は、この点を考慮する必要があります。
3. formrunやGoogle Forms:外部サービスという新しい選択肢
最近では、WordPressプラグインではなく外部サービスを使う選択肢もあります。代表的なのがformrunやGoogle Formsです。
外部フォームサービス比較表:
サービス | 料金 | 日本語対応 | 確認画面 | データ管理 |
---|---|---|---|---|
formrun | 無料〜 | 完璧 | あり | クラウド |
Google Forms | 無料 | 良好 | なし | Googleアカウント |
Typeform | 有料中心 | 良好 | あり | クラウド |
JotForm | 無料〜 | 基本対応 | あり | クラウド |
外部サービスの最大のメリットは、プラグインのメンテナンスが不要なことです。セキュリティや機能追加はサービス提供者が行ってくれます。
まとめ
MW WP Formは、日本のWebサイト運営者にとって非常に使いやすいプラグインでした。確認画面付きのフォームが簡単に作れ、日本語バリデーション機能も充実していたからです。
しかし、2023年9月の開発終了により状況は大きく変わりました。現在も使用は可能ですが、長期的なセキュリティリスクを考慮すると、代替ツールへの移行を検討する時期に来ています。移行先としては、Snow Monkey FormsやContact Form 7、外部フォームサービスなど複数の選択肢があります。
どの選択肢を選ぶにしても、現在蓄積されているデータのバックアップは必須です。お問い合わせフォームは企業とお客様をつなぐ重要な窓口ですから、慎重に移行計画を立てて進めることが大切です。