海外製のWordPressプラグインやテーマを使っていて、「英語ばかりで分からない」と困った経験はありませんか?実は、WordPressの管理画面だけで簡単に日本語化できる便利なプラグインがあります。
それが「Loco Translate」です。難しいファイル操作は一切不要。まるで文書編集ソフトを使うような感覚で翻訳作業ができます。
この記事では、Loco Translateの基本情報から実際の使い方まで、中学生にも分かるように詳しく解説します。英語のプラグインやテーマを日本語で使いたい方は、ぜひ参考にしてください。
そもそもLoco Translateって何?WordPressで翻訳作業が簡単になる魔法のツール
海外のプラグインやテーマが英語のまま…そんな悩みを解決
WordPressには世界中の開発者が作った優秀なプラグインやテーマがあります。しかし、その多くは英語で作られているため、日本のサイトで使うには少し困りますよね。
たとえば、お問い合わせフォームのボタンが「Submit」と表示されていたら、訪問者は「これ何のボタン?」と混乱してしまいます。
Loco Translateは、こうした英語表記を管理画面上で手軽に日本語に変更できるプラグインです。専門知識は不要で、単語帳を作る感覚で翻訳作業が進められます。
難しいファイル操作は不要!管理画面だけで完結する便利さ
従来の翻訳作業では、FTPソフトでサーバーにファイルをアップロードしたり、専用ツールを使ったりする必要がありました。
ところが、Loco Translateなら WordPress の管理画面だけですべて完了します。まさにオンライン辞書を作る感覚で作業できるのです。
実際の作業画面では、左側に英語の原文、右側に日本語の翻訳を入力する欄が表示されます。翻訳したい箇所をクリックして日本語を入力するだけ。保存ボタンを押せば、すぐにサイトに反映されます。
無料で使える基本機能と有料プランの違い
Loco Translateには無料版と有料版があります。個人サイトや小規模な翻訳作業なら、無料版でも十分な機能が揃っています。
プラン | 価格 | 主な機能 |
---|---|---|
無料版 | $0 | 基本的な翻訳機能、手動翻訳 |
プロ版 | $29.95/月 | 自動翻訳、一括翻訳、優先サポート |
有料版では Google翻訳 API を使った自動翻訳機能が利用できます。ただし、最初は無料版で試してみて、必要に応じてアップグレードするのがおすすめです。
Loco Translateの基本情報まとめ!作成者から料金まで知っておこう
開発者Tim Whitlock氏が手がける信頼のプラグイン
Loco Translateは、イギリスの開発者Tim Whitlock氏によって開発されました。彼は10年以上にわたってWordPress関連のプラグイン開発に携わっている実績のある開発者です。
2013年にリリースされて以来、継続的にアップデートが続けられています。セキュリティ面でも定期的な修正が行われており、安心して利用できるプラグインと言えるでしょう。
開発チームは現在もアクティブで、ユーザーからの要望や不具合報告に迅速に対応しています。WordPress公式プラグインディレクトリでも高い評価を受けているのが特徴です。
バージョン2.8.0で100万サイト以上が活用中
現在の最新バージョンは2.8.0です(2025年9月時点)。世界中で100万以上のサイトが Loco Translate を利用しており、その人気の高さがうかがえます。
項目 | 詳細情報 |
---|---|
最新バージョン | 2.8.0 |
利用サイト数 | 100万+ |
最低WordPress要件 | 5.0以上 |
PHP要件 | 7.4以上 |
更新頻度 | 2-3ヶ月に1回 |
バージョンアップでは新機能の追加だけでなく、WordPressの最新版への対応やセキュリティ強化も行われています。特に WordPress 6.0以降の新しいエディター機能にも対応済みです。
料金体系は無料から月額29.95ドルまで4つのプラン
Loco Translateの料金体系は、利用する機能に応じて4つのプランに分かれています。
プラン名 | 月額料金 | 年額料金 | 主な特徴 |
---|---|---|---|
Free | $0 | $0 | 手動翻訳のみ |
Personal | $9.95 | $99 | 自動翻訳100回/月 |
Professional | $19.95 | $199 | 自動翻訳500回/月、優先サポート |
Agency | $29.95 | $299 | 無制限自動翻訳、複数サイト対応 |
ほとんどの個人サイトなら無料版で十分です。ただし、大量の翻訳作業が必要な場合や、効率を重視するなら有料プランを検討してみてください。
インストールから初期設定まで!3ステップで始める導入手順
プラグイン検索から有効化まで1分で完了
Loco Translateのインストールは、他のWordPressプラグインと同様に簡単です。まず、管理画面の「プラグイン」→「新規追加」をクリックします。
検索窓に「Loco Translate」と入力すると、青いアイコンのプラグインが表示されます。「今すぐインストール」をクリックし、インストール完了後に「有効化」ボタンを押せば準備完了です。
有効化すると、管理画面の左メニューに「Loco Translate」という項目が追加されます。これで翻訳作業を始める準備が整いました。
手順 | 操作内容 | 所要時間 |
---|---|---|
1 | プラグイン検索・インストール | 30秒 |
2 | 有効化 | 10秒 |
3 | メニュー確認 | 20秒 |
初回起動で表示される設定画面の見方
初回起動時には、いくつかの設定項目が表示されます。ここで重要なのは、翻訳ファイルの保存場所を決めることです。
設定画面では以下の項目を確認できます。デフォルト設定のままでも問題ありませんが、バックアップの観点から「カスタム」を選択することをおすすめします。
実は、この設定は後からでも変更可能です。最初は深く考えすぎず、とりあえず進めてみましょう。実際に使ってみてから、自分に合った設定に調整するのが効率的です。
翻訳保存先は「カスタム」選択が安心な理由
翻訳ファイルの保存場所には3つの選択肢があります。
保存先 | メリット | デメリット |
---|---|---|
Author | プラグイン作者が更新時に反映 | 自分の翻訳が消える可能性 |
System | WordPress全体で共有 | 他のプラグインに影響する場合あり |
Custom | 独立した保存で安全 | 容量を使用 |
「カスタム」を選ぶと、プラグインやテーマが更新されても翻訳が消える心配がありません。ただし、わずかにサーバー容量を使用します。
とはいえ、翻訳ファイルのサイズは小さいので、容量を気にする必要はほぼありません。安全性を重視するなら「カスタム」が最適な選択です。
実際にやってみよう!プラグインを日本語化する具体的な手順
翻訳したいプラグインを選んで新しい言語を追加
翻訳作業は「Loco Translate」→「プラグイン」からスタートします。インストール済みのプラグイン一覧が表示されるので、翻訳したいプラグインを選びましょう。
たとえば、お問い合わせフォームプラグインの「Contact Form 7」を日本語化したい場合を考えてみます。プラグイン名をクリックすると、「新しい言語」というボタンが表示されます。
「新しい言語」をクリックすると、言語選択画面が開きます。ここで「日本語」を選択し、「翻訳を開始」ボタンを押せば準備完了です。
ステップ | 操作 | 画面表示 |
---|---|---|
1 | プラグイン選択 | インストール済み一覧 |
2 | 新しい言語 | 言語選択画面 |
3 | 日本語選択 | 翻訳エディター画面 |
原文リストから翻訳箇所を見つけるコツ
翻訳エディター画面では、左側に英語の原文、右側に翻訳欄が表示されます。ここで効率よく作業を進めるコツがあります。
まず、検索窓を活用しましょう。「Submit」「Contact」など、サイトでよく見かける英単語で検索すると、該当箇所がすぐに見つかります。
翻訳の優先順位を決めるのも大切です。訪問者の目に触れやすい箇所から順番に翻訳していくと、効果を実感しやすくなります。
優先度 | 翻訳対象 | 具体例 |
---|---|---|
高 | ボタンテキスト | Submit → 送信 |
中 | エラーメッセージ | Error → エラー |
低 | 管理画面のみの表示 | Settings → 設定 |
日本語入力から保存まで失敗しないポイント
翻訳作業で最も重要なのは、自然な日本語を心がけることです。直訳ではなく、日本のサイト訪問者にとって分かりやすい表現を選びましょう。
実際に翻訳する際は、右側の翻訳欄に日本語を入力します。入力後は必ず「保存」ボタンをクリックしてください。ここで注意したいのは、記号やHTMLタグが含まれている場合です。
たとえば「Please %s your name」のような文では、「%s」の部分は翻訳せずにそのまま残します。「%s にお名前を入力してください」といった具合に、記号の前後に適切な日本語を配置するのがコツです。
翻訳完了後は、実際のサイト画面で表示を確認しましょう。管理画面での表示と実際の画面で異なる場合があるためです。
テーマの日本語化にも対応!海外テーマを使う時の翻訳方法
テーマとプラグインの翻訳手順はほぼ同じ
Loco Translateは、プラグインだけでなくWordPressテーマの翻訳にも対応しています。基本的な手順はプラグインの場合とほぼ同じです。
管理画面で「Loco Translate」→「テーマ」を選択すると、インストール済みのテーマ一覧が表示されます。翻訳したいテーマを選んで「新しい言語」から日本語を追加すれば準備完了です。
ただし、テーマの翻訳では注意点があります。デザインに関わる部分を翻訳すると、レイアウトが崩れる可能性があるためです。最初は目立つ部分から少しずつ翻訳していくのが安全です。
子テーマを使っている場合の注意点
子テーマを使用している場合は、翻訳の保存先に注意が必要です。親テーマと子テーマのどちらに保存するか選択できます。
保存先 | メリット | デメリット |
---|---|---|
親テーマ | 翻訳が完全に反映される | テーマ更新で消える可能性 |
子テーマ | 更新に影響されない | 一部翻訳が反映されない場合あり |
一般的には子テーマに保存するのがおすすめです。親テーマが更新されても翻訳が消える心配がありません。
ただし、子テーマに保存した翻訳が正しく反映されない場合は、親テーマに保存し直してみてください。テーマの構造によって最適な保存先が異なることがあります。
よく翻訳が必要になる項目「Read More」「Posted」など
海外テーマでよく見かける英語表現と、おすすめの日本語訳をまとめました。
英語 | 推奨日本語訳 | 表示場所 |
---|---|---|
Read More | 続きを読む | 記事抜粋の下 |
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これらの用語は多くのテーマで共通して使われています。一度翻訳すれば、サイト全体の印象がぐっと日本的になります。
ただし、サイトの性格に合わせて翻訳を調整することも大切です。カジュアルなブログなら「もっと見る」、企業サイトなら「詳細はこちら」といった具合に使い分けましょう。
POファイル・MOファイルって何?翻訳ファイルの基礎知識
翻訳作業に欠かせない3つのファイル形式
WordPressの翻訳には、主に3つのファイル形式が使われています。これらを理解しておくと、翻訳作業がスムーズに進みます。
ファイル形式 | 役割 | 編集可否 |
---|---|---|
POTファイル | 翻訳のテンプレート | 編集不要 |
POファイル | 翻訳作業用ファイル | 編集可能 |
MOファイル | サイト表示用ファイル | 自動生成 |
POTファイルは翻訳対象の文字列が記録されたテンプレートです。プラグインやテーマの開発者が作成するため、私たちが編集する必要はありません。
POファイルは実際に翻訳作業を行うファイルです。Loco Translateを使えば、このファイルを直接編集できます。翻訳が完了すると、自動的にMOファイルが生成されてサイトに反映されます。
Loco TranslateとPoeditツールとの使い分け
翻訳作業には、Loco Translate以外にも「Poedit」という専用ソフトがあります。両者にはそれぞれ特徴があります。
ツール | メリット | デメリット |
---|---|---|
Loco Translate | WordPress管理画面で完結 | 高度な機能は限定的 |
Poedit | 翻訳支援機能が豊富 | ソフトのインストールが必要 |
Loco Translateは手軽さが最大の魅力です。WordPressにログインできる環境なら、どこでも翻訳作業ができます。
一方、Poeditは翻訳メモリ機能や用語集機能など、プロの翻訳者が使うような高度な機能を備えています。大量の翻訳作業を効率化したい場合は、Poeditも検討してみてください。
ファイルのダウンロード・アップロード機能の活用法
Loco Translateには、翻訳ファイルをダウンロード・アップロードする機能があります。これを活用すると、バックアップや共有が簡単にできます。
翻訳完了後にPOファイルをダウンロードしておけば、万が一の際にすぐ復元可能です。また、複数のサイトで同じ翻訳を使いたい場合にも便利です。
機能 | 使用場面 | 操作方法 |
---|---|---|
ダウンロード | バックアップ作成 | 翻訳画面の「ダウンロード」 |
アップロード | 翻訳ファイル復元 | 「ファイルをアップロード」 |
同期 | 他サイトとの共有 | ダウンロード→アップロード |
ただし、異なるプラグインやテーマ間での翻訳ファイル流用は避けましょう。文字列が異なる場合があるためです。
翻訳が反映されない時の対処法!よくあるトラブルと解決策
翻訳したのにサイトに表示されない原因
翻訳作業を完了したのに、サイトに日本語が表示されない場合があります。最も多い原因は、キャッシュ機能です。
WordPressでキャッシュプラグインを使用している場合、翻訳の変更がすぐに反映されません。まずはキャッシュをクリアしてから確認してみましょう。
確認項目 | 対処法 | 所要時間 |
---|---|---|
キャッシュ | プラグインでクリア | 1分 |
ブラウザキャッシュ | Ctrl+F5で更新 | 10秒 |
翻訳ファイル | MOファイル生成確認 | 30秒 |
それでも表示されない場合は、翻訳対象の文字列が正しいか確認してください。大文字小文字や記号の違いで認識されない場合があります。
記号だらけの文字列を翻訳してしまった時の対処
翻訳作業中に「%s」「{count}」のような記号が含まれた文字列に遭遇することがあります。これらは変数と呼ばれ、プログラムが自動的に値を挿入する部分です。
間違ってこれらの記号を翻訳してしまうと、サイトの表示が崩れる原因になります。記号部分はそのまま残し、前後の文字列だけを翻訳するのが正解です。
間違った翻訳例 | 正しい翻訳例 |
---|---|
「個数 個のアイテム」 | 「%s 個のアイテム」 |
「カウント件の投稿」 | 「{count}件の投稿」 |
もし間違って翻訳してしまった場合は、翻訳欄を空白にして保存し直してください。原文の表示に戻ります。
プラグイン更新で翻訳が消えた場合の復旧方法
プラグインやテーマを更新すると、翻訳が消えてしまう場合があります。これは保存先の設定によるものです。
事前にPOファイルをダウンロードしてバックアップを取っておくのが最良の対策です。バックアップがあれば、アップロード機能ですぐに復元できます。
復旧手順 | 操作内容 | 注意点 |
---|---|---|
1 | 言語ファイル再作成 | 「新しい言語」から |
2 | バックアップファイル選択 | POファイルを指定 |
3 | アップロード実行 | 上書き確認あり |
バックアップがない場合は、残念ながら再度翻訳作業を行う必要があります。今後は定期的にバックアップを取る習慣をつけましょう。
まとめ
Loco Translateは、WordPressの海外製プラグインやテーマを簡単に日本語化できる便利なプラグインです。専門知識不要で管理画面だけで作業が完結するため、初心者の方でも安心して利用できます。
無料版でも基本的な翻訳機能は十分に使えるので、まずは気軽に試してみてください。翻訳ファイルのバックアップを取る習慣をつけておけば、プラグイン更新時のトラブルも避けられます。
英語のままで諦めていたプラグインやテーマも、Loco Translateがあれば日本語サイトに最適化できます。サイト訪問者にとって分かりやすいサイト作りに、ぜひ活用してみてください。
