WordPress運営で一番気になること。それは「誰が見てくれているのか」ですよね。
でも、Googleアナリティクスは設定が複雑で、画面を開くたびに「どこを見ればいいの?」と迷ってしまう。そんな経験、ありませんか。
実は、WordPressだけで完結する簡単なアクセス解析があります。それがWP Statistics。今回は、このプラグインがなぜ初心者におすすめなのか、どう使えばサイト運営に活かせるのかを詳しく解説します。
たとえば、昨日書いた記事に何人来てくれたか、どの国から見られているか。こうした情報が管理画面で一目でわかるのです。
WP Statisticsってそもそも何なの?
1. WordPressで使える簡単アクセス解析プラグイン
WP Statisticsは、WordPressの管理画面内でアクセス解析ができるプラグインです。Googleアナリティクスのような外部サービスではありません。
一番の特徴は「シンプルさ」。複雑な設定や専門知識は不要です。プラグインを有効化すれば、すぐに使い始められます。
実際に、世界中で100万以上のサイトが使用中。これほど多くの人に選ばれているのは、やはり使いやすさが理由でしょう。
項目 | 詳細情報 |
---|---|
開発者 | Mostafa Soufi & VeronaLabs |
配布元 | WordPress公式リポジトリ |
アクティブインストール数 | 1,000,000+ |
最終更新 | 2024年12月 |
対応WordPressバージョン | 5.0以上 |
2. 料金は無料、作成者はWordPress公式コミュニティ
気になる料金ですが、基本機能はすべて無料です。WordPress公式リポジトリで配布されているため、安心して利用できます。
ただし、より詳細な分析機能が欲しい場合は有料版もあります。といっても、個人ブログや小規模サイトなら無料版で十分でしょう。
有料版では地図表示やより詳しいレポート機能が使えます。とはいえ、まずは無料版で試してみることをおすすめします。
プラン | 価格(年額) | 主な機能 |
---|---|---|
無料版 | 0円 | 基本的なアクセス解析 |
Personal | $49 | 地図表示、詳細レポート |
Business | $99 | 複数サイト管理、優先サポート |
Professional | $199 | 高度な統計機能、カスタムレポート |
3. 「Googleアナリティクスは複雑すぎる」という人のお助けツール
Googleアナリティクス、確かに高機能です。でも、その分画面が複雑で、どこを見れば良いのかわからない。そんな悩みを持つ人は多いものです。
WP Statisticsなら話は別。WordPressの管理画面と同じデザインで、直感的に操作できます。
たとえば「今日何人来たか知りたい」と思ったとき。Googleアナリティクスでは複数の画面を移動する必要があります。でも、WP Statisticsなら管理画面の「統計」をクリックするだけ。これだけでも大きな違いですよね。
サイトの数字が一目でわかる!WP Statisticsの基本機能
1. 誰が、いつ、どこから来たかがすぐわかる
WP Statisticsの魅力は、訪問者の基本情報が一画面で把握できることです。
まず「誰が」の部分。IPアドレスごとに訪問者を識別し、新規かリピーターかも表示されます。もちろん、個人を特定するような詳細情報は表示されません。
「いつ」については、時間単位でのアクセス推移がグラフで確認できます。朝が多いのか、夜が多いのか。こうした情報は記事投稿のタイミングを決める際に役立ちます。
「どこから」では、検索エンジン、SNS、直接アクセスなど、流入元が分類されて表示。どの経路からの訪問が多いかひと目でわかります。
表示項目 | 確認できる内容 |
---|---|
訪問者数 | 日別・月別の訪問者推移 |
ページビュー | 各ページの閲覧回数 |
滞在時間 | 平均的なサイト滞在時間 |
直帰率 | 1ページだけ見て離脱した割合 |
参照元 | 検索エンジン、SNS、直接など |
2. 人気記事ランキングとアクセス元の国まで表示
どの記事がよく読まれているか。これがわかると、次に書くべき記事のヒントが見えてきます。
WP Statisticsでは、ページビュー数順に記事がランキング表示されます。1位から10位まで、一覧でチェック可能です。
さらに興味深いのが、アクセス元の国データ。日本からのアクセスが何パーセント、アメリカが何パーセントといった具合に、世界地図で視覚化されます。
実は、この機能で「海外からも読まれている」と気づく人も多いのです。英語記事を書くきっかけになったという声もよく聞きます。
人気記事機能 | 詳細 |
---|---|
ランキング期間 | 今日、1週間、1ヶ月から選択可能 |
表示件数 | 上位10件または20件 |
並び順 | ページビュー数、ユニーク訪問者数 |
詳細情報 | 各記事の閲覧時間、直帰率 |
3. スマホからパソコンまで、使っているブラウザも丸見え
現代のサイト運営で重要なのが、訪問者がどんなデバイスを使っているかです。
WP Statisticsでは、スマートフォン、タブレット、パソコンの割合が円グラフで表示されます。もしスマホからのアクセスが多いなら、スマホ表示の最適化が重要ですね。
ブラウザ情報も詳細に把握できます。Chrome、Safari、Firefoxなど、どのブラウザからのアクセスが多いかがわかるのです。
これらの情報は、サイトデザインや機能改善の判断材料として活用できます。
デバイス・ブラウザ統計 | 表示内容 |
---|---|
デバイス種別 | スマホ、タブレット、PC の割合 |
OS情報 | Windows、Mac、Android、iOS など |
ブラウザ | Chrome、Safari、Firefox、Edge など |
画面解像度 | 訪問者の画面サイズ分布 |
表示形式 | 円グラフ、棒グラフ、一覧表 |
他のアクセス解析ツールと比べて何がいいの?
1. WordPressの管理画面だけで完結する手軽さ
一番のメリットは、別サイトを開く必要がないことです。記事を書いて、すぐにアクセス状況をチェック。この流れがスムーズにできます。
Googleアナリティクスの場合、WordPressから一度ログアウトして、別のサイトにログインし直す必要があります。この手間、意外とストレスになるものです。
WP Statisticsなら、記事投稿後に「統計」メニューをクリックするだけ。数秒で結果が確認できます。
実際に使ってみると、この手軽さが「毎日チェックする習慣」につながります。データを見る頻度が高くなれば、サイト改善のヒントも見つけやすくなるでしょう。
比較項目 | WP Statistics | Googleアナリティクス |
---|---|---|
アクセス方法 | WordPressから直接 | 別サイトにログイン |
設定の複雑さ | シンプル | 複雑 |
データ反映速度 | リアルタイム | 24時間遅れ |
学習コスト | 低い | 高い |
カスタマイズ性 | 基本的 | 高度 |
2. 外部サービス不要だからプライバシー保護もバッチリ
近年、プライバシー保護の重要性が高まっています。GDPR(EU一般データ保護規則)やCCPA(カリフォルニア州消費者プライバシー法)など、データ保護に関する法規制も厳しくなりました。
Googleアナリティクスは外部サービスのため、訪問者のデータが第三者に送信されます。そのため、プライバシーポリシーの記載やクッキー同意の仕組みが必要です。
一方、WP Statisticsはサーバー内でデータを処理します。外部への送信がないため、プライバシーリスクが大幅に軽減されるのです。
特にヨーロッパ圏の訪問者が多いサイトでは、この点が大きなメリットになります。
プライバシー観点 | WP Statistics | Googleアナリティクス |
---|---|---|
データ保存場所 | 自サーバー内 | Google外部サーバー |
第三者送信 | なし | あり |
GDPR対応 | 簡単 | 複雑な設定が必要 |
クッキー同意 | 不要 | 必要 |
IP匿名化 | 標準対応 | 追加設定が必要 |
3. グラフと表で見やすく、中学生でも理解できるシンプル表示
データ分析で挫折する理由の多くは「画面が複雑すぎる」ことです。
WP Statisticsの画面は、とにかくシンプル。必要な情報だけが、わかりやすく配置されています。
たとえば、アクセス数の推移。折れ線グラフで表示され、増減が一目瞭然です。どの曜日にアクセスが多いか、時間帯による違いはあるか。こうした傾向がすぐに読み取れます。
人気記事ランキングも同様です。記事タイトルとページビュー数が表形式で並んでいるだけ。特別な知識がなくても、どの記事が人気なのかすぐにわかります。
初心者でもできる!インストールから設定までの流れ
1. プラグイン追加画面で「WP Statistics」を検索してインストール
まずはWordPressの管理画面にログインしましょう。
左側のメニューから「プラグイン」→「新規追加」をクリック。検索ボックスに「WP Statistics」と入力してください。
すると、青いアイコンのプラグインが表示されます。これが正しいWP Statisticsです。類似名のプラグインもあるので、間違えないよう注意しましょう。
「今すぐインストール」ボタンをクリック。数秒でインストールが完了します。
インストール手順 | 操作内容 |
---|---|
1. プラグイン画面へ | 管理画面 → プラグイン → 新規追加 |
2. 検索 | 「WP Statistics」で検索 |
3. インストール | 「今すぐインストール」をクリック |
4. 有効化 | 「有効化」ボタンをクリック |
5. 設定画面 | 「統計」メニューが追加される |
2. 有効化すると管理画面に「統計」メニューが追加される
インストールが終わったら「有効化」をクリック。これで準備完了です。
画面を見ると、左側のメニューに「統計」という項目が追加されているはず。これがWP Statisticsのメイン画面です。
初回アクセス時は「データがありません」と表示されることがあります。でも心配無用。数時間でデータが蓄積され始めます。
実際に「統計」をクリックしてみると、ダッシュボードが開きます。シンプルな画面で、各種グラフや数値が表示されるでしょう。
3. 基本設定では管理者のアクセスを除外設定するのがおすすめ
初期状態では、自分のアクセスもカウントされてしまいます。正確なデータを取るため、管理者のアクセスは除外しましょう。
「統計」メニューから「設定」をクリック。「除外」タブを選択してください。
「管理者のアクセスを記録しない」にチェックを入れます。さらに、自分のIPアドレスも除外リストに追加しておくと良いでしょう。
この設定により、訪問者の実データだけが記録されます。より正確な分析が可能になるのです。
推奨設定項目 | 設定内容 |
---|---|
管理者除外 | チェックを入れる |
自分のIP除外 | IPアドレスを登録 |
ボット除外 | 検索エンジンボットを除外 |
ログイン中除外 | ログイン中のユーザーを除外 |
プライバシー設定 | IP匿名化を有効にする |
データの見方がわからない?画面ごとの使い方解説
1. 「概要」画面で全体のアクセス状況をザッと確認
「統計」メニューの最初に表示されるのが概要画面。ここでサイト全体の状況を把握できます。
画面上部には、今日・昨日・今週・今月のアクセス数が数字で表示。前日比や前週比も%で示されるため、増減傾向がひと目でわかります。
中央部分には、過去30日間のアクセス推移がグラフ表示。山あり谷ありの波形を見ると、どんな記事を投稿した日にアクセスが増えたか思い出せるでしょう。
下部には、人気記事トップ5と主要な参照元が表示されます。全体像を把握するには十分な情報量です。
概要画面の表示項目 | 内容詳細 |
---|---|
今日の統計 | 本日のアクセス数・訪問者数 |
比較データ | 前日比・前週比・前月比 |
アクセス推移 | 30日間のグラフ |
人気記事 | 上位5記事のランキング |
参照元 | 主要な流入経路 |
2. 「ヒット数」で日別・月別のアクセス推移をチェック
より詳細なアクセス推移を見たいなら「ヒット数」画面が便利です。
期間を自由に設定でき、日別・週別・月別での表示が可能。たとえば「先月と今月を比較したい」といったケースに対応できます。
グラフの形状から、定期的なパターンも読み取れるでしょう。平日にアクセスが多いのか、土日が多いのか。こうした傾向がわかると、記事投稿のタイミング最適化に役立ちます。
データはCSV形式でダウンロードも可能。ExcelやGoogleスプレッドシートで詳細分析したい場合に便利です。
3. 「参照元」でどこからお客さんが来ているかを把握
サイト運営で重要なのが、訪問者がどこから来ているかの把握です。
「参照元」画面では、検索エンジン、SNS、他サイトからのリンクなど、流入経路が詳しく分析できます。
特に注目したいのが検索エンジンの内訳。Google、Yahoo!、Bingなど、どの検索エンジンからのアクセスが多いかがわかります。
SNSからの流入も要チェック。TwitterやFacebook、InstagramなどSNS別の数値が確認できるため、SNS戦略の効果測定に活用できるでしょう。
参照元カテゴリ | 分析ポイント |
---|---|
検索エンジン | SEO対策の効果確認 |
ソーシャルメディア | SNS投稿の効果測定 |
直接アクセス | ブランド認知度の指標 |
他サイトのリンク | 被リンク効果の確認 |
広告 | 有料広告のROI測定 |
知っておきたい注意点とデメリット
1. 大量アクセスのサイトではサーバーに負荷がかかることも
WP Statisticsは便利ですが、万能ではありません。特に注意したいのがサーバー負荷です。
月間100万PVを超えるような大規模サイトでは、データベースの容量が急激に増加します。その結果、サイト表示が遅くなる可能性があるのです。
実際に、レンタルサーバーから「データベース使用量が上限に近づいている」という警告を受けた運営者もいます。
対策として、古いデータの自動削除機能があります。設定画面で「データ保持期間」を調整し、必要以上に古いデータは削除するよう設定しましょう。
サイト規模別の推奨設定 | 月間PV数 | データ保持期間 | 注意点 |
---|---|---|---|
小規模サイト | ~10万PV | 1年 | 特に問題なし |
中規模サイト | 10万~50万PV | 6ヶ月 | 定期的な容量確認 |
大規模サイト | 50万PV~ | 3ヶ月 | 他ツールとの併用検討 |
2. Googleアナリティクスほど詳細な分析はできない
WP Statisticsのシンプルさは魅力ですが、同時に機能の制限でもあります。
たとえば、コンバージョン分析。商品購入や問い合わせなどの成果測定機能は、基本版にはありません。
ユーザーの行動フローも限定的。「どのページを経由して目標ページに到達したか」といった詳細分析は困難です。
eコマースサイトや本格的なマーケティング分析が必要な場合は、Googleアナリティクスとの併用を検討すべきでしょう。
3. 直帰率やコンバージョン率は測定できない
Webサイト分析で重要な指標の一つが直帰率。1ページだけ見て離脱する訪問者の割合です。
WP Statisticsでは、この直帰率が正確に測定できません。滞在時間の計測も、Googleアナリティクスと比べると精度が劣ります。
コンバージョン率の測定機能もありません。「何人がお問い合わせしたか」「どの記事経由で商品が売れたか」といった分析は別のツールが必要です。
つまり、WP Statisticsは「基本的なアクセス状況の把握」に特化したツールと考えるのが適切でしょう。
測定できない項目 | 代替手段 |
---|---|
直帰率 | Googleアナリティクス |
正確な滞在時間 | 専用の解析ツール |
コンバージョン率 | フォーム分析ツール |
ユーザー行動フロー | ヒートマップツール |
eコマース分析 | ECプラットフォームの分析機能 |
小さなサイトから始める人におすすめの活用術
1. 毎日のアクセス数変化で記事の反応を確かめる
WP Statisticsの最も実用的な使い方。それは、記事公開後の反応チェックです。
新しい記事を投稿したら、翌日に「統計」画面を確認してみましょう。前日と比べてアクセスが増えているか、どの記事がよく読まれているかがわかります。
特に注目したいのは「検索からのアクセス」。記事公開から数日~数週間で検索経由のアクセスが増えてくれば、SEO的に良い記事だった証拠です。
逆に、まったく反応がない記事は改善が必要かもしれません。タイトルを変更したり、内容を充実させたりする判断材料になります。
2. 検索キーワードから読者の悩みを発見する
「参照元」画面の検索エンジン詳細を見ると、どんなキーワードで検索されているかがある程度推測できます。
完全に正確ではありませんが、傾向は把握可能。たとえば「WordPress 初心者」関連の検索が多ければ、初心者向けの記事需要が高いとわかります。
この情報を次の記事企画に活用してみましょう。読者が実際に検索しているキーワードで記事を書けば、アクセスアップの可能性が高まります。
Googleサーチコンソールと併用すると、より詳細なキーワード分析が可能になります。
3. 人気記事を参考に次の記事ネタを考える
人気記事ランキングは、読者ニーズの宝庫です。
上位にランクインしている記事には、共通点があるはず。ジャンル、文字数、タイトルの付け方など、人気の要因を分析してみましょう。
たとえば「〇〇の方法」という記事が人気なら、同じパターンで別のテーマを扱った記事も需要があるかもしれません。
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まとめ
WP Statisticsは、WordPress初心者にとって理想的なアクセス解析ツールです。複雑な設定は不要で、管理画面から直接データをチェックできます。
Googleアナリティクスのような高度な分析はできませんが、基本的なアクセス状況を把握するには十分。プライバシー面でも安心して使えるのが大きな魅力です。
サイト運営を始めたばかりの人にこそ、まずはWP Statisticsで数字に慣れることをおすすめします。データを見る習慣が身につけば、自然とサイト改善のアイデアも浮かんでくるはずです。
