WordPressサイトが重くて困っていませんか?実は、画像ファイルが原因かもしれません。たとえば、100枚の写真を掲載したサイトなら、画像だけで数十メガバイトになることも。
ここで登場するのが「WebP Express」プラグイン。このプラグインを使えば、既存の画像を次世代フォーマット「WebP」に自動変換できます。難しい設定は不要で、チェックボックスをクリックするだけ。
画像サイズが25〜35%も小さくなるため、サイト表示速度が大幅にアップします。SEO効果も期待できるため、アクセス数アップにもつながるでしょう。
この記事では、WebP Expressの基本情報から設定方法まで、初心者でもわかりやすく解説していきます。
WebP Expressってどんなプラグイン?基本情報をチェック
WordPressで画像最適化を考えているなら、まずWebP Expressの正体を知っておきましょう。このプラグインは、画像変換の専門家が開発した高機能ツールです。
1. プラグインの作成者と開発背景
WebP Expressは、デンマークの開発者Bjørn Rosellによって作られました。彼はWebP技術に精通しており、WordPress向けの最適化ツールとして2018年にリリース。現在も定期的なアップデートが続いています。
開発の背景には「誰でも簡単にWebP変換ができるように」という想いがあります。実は、WebP変換は技術的に複雑な処理。ただし、このプラグインなら専門知識がなくても安心です。
2. 料金体系は?無料版と有料版の違い
WebP Expressの料金体系はシンプル。基本機能はすべて無料で利用できます。
項目 | 無料版 | 有料版(プロ版) |
---|---|---|
基本変換機能 | ✓ | ✓ |
自動変換 | ✓ | ✓ |
圧縮レベル調整 | ✓ | ✓ |
CDN対応 | – | ✓ |
プレミアムサポート | – | ✓ |
料金 | 無料 | 年額49ドル |
たとえば、個人ブログや小規模サイトなら無料版で十分。大規模サイトやCDNを使いたい場合のみ、有料版を検討すればよいでしょう。
3. 最新バージョンと対応環境
2025年9月現在の最新バージョンは0.25.8です。対応環境も幅広く設定されています。
項目 | 対応バージョン |
---|---|
WordPress | 4.0以上 |
PHP | 5.6以上(推奨7.4以上) |
対応サーバー | Apache、Nginx |
変換ライブラリ | GD、Imagick、cwebp |
注目すべきは、古いWordPressバージョンにも対応している点。ただし、セキュリティの観点から最新版の利用をおすすめします。
なぜWebP形式に変換するの?画像軽量化のメリット
「WebPって何?」と疑問に思う方も多いでしょう。簡単に説明すると、Googleが開発した次世代画像フォーマットです。従来のJPEGやPNGよりも圧倒的に軽量化できます。
1. ファイルサイズが25〜35%も小さくなる驚きの効果
WebPの最大の特徴は、画質を保ちながらファイルサイズを大幅に削減できること。具体的な数字を見てみましょう。
画像形式 | ファイルサイズ例 | 削減率 |
---|---|---|
JPEG(元画像) | 100KB | – |
WebP(同画質) | 65-75KB | 25-35%削減 |
PNG(元画像) | 200KB | – |
WebP(同画質) | 120-140KB | 30-40%削減 |
たとえば、100枚の画像があるサイトなら、全体で25〜30%の軽量化が可能。これは驚異的な数字です。
実は、この軽量化は画質を犠牲にしていません。むしろ、同じファイルサイズなら画質が向上することも。まさに一石二鳥の技術と言えるでしょう。
2. サイト表示速度がぐんと速くなる仕組み
画像ファイルが軽くなると、サイト表示速度は劇的に改善します。仕組みは至ってシンプル。
ダウンロード時間が短縮されるからです。たとえば、モバイル回線で3秒かかっていたページが、2秒で表示できるようになります。
ここで注意したいのは、表示速度の体感差について。1秒の違いでも、ユーザーは明らかに「速くなった」と感じるものです。実際、Googleの調査でも表示速度の重要性が証明されています。
3. SEO評価アップにつながる理由
Googleは「ページエクスペリエンス」を重要な評価要素としています。その中でも、表示速度は特に重要な指標です。
WebP化によって期待できるSEO効果をまとめると:
評価項目 | 改善効果 |
---|---|
Core Web Vitals | LCP(最大コンテンツ描画)の改善 |
PageSpeed Insights | スコア5〜15点アップの可能性 |
モバイル評価 | 特に大きな改善が期待 |
実は、検索順位への直接的な影響は限定的かもしれません。ただし、ユーザー体験の向上は確実。結果的に滞在時間の延長や離脱率の改善につながるでしょう。
WebP Expressをインストールしてみよう!簡単3ステップ
さあ、実際にWebP Expressを導入してみましょう。手順は驚くほど簡単。WordPressの基本操作ができれば、誰でも5分で完了します。
1. WordPressプラグイン画面から検索して追加
まず、WordPress管理画面にログインします。左メニューから「プラグイン」→「新規追加」をクリック。
検索ボックスに「WebP Express」と入力すると、プラグインが表示されます。作成者が「Bjørn Rosell」となっていることを確認してください。
確認項目 | 正しい情報 |
---|---|
プラグイン名 | WebP Express |
作成者 | Bjørn Rosell |
評価 | 4.5星以上 |
インストール数 | 400,000+ |
間違いがなければ「今すぐインストール」をクリック。ダウンロードは数秒で完了するはずです。
2. 有効化するだけで基本設定は完了
インストールが完了したら「有効化」ボタンをクリック。これで基本的な準備は整いました。
実は、WebP Expressは有効化した瞬間から動作開始。デフォルト設定でも十分な効果が期待できます。ここで注意したいのは、サーバー環境によって利用できる変換方法が異なること。
プラグインが自動的に最適な変換方法を選択してくれるため、特別な設定は不要です。ただし、後ほど詳しい設定方法も解説します。
3. インストール直後に確認したいポイント
有効化後、まず確認すべきは動作状況です。WordPress管理画面のメニューに「WebP Express」が追加されているはず。
クリックすると設定画面が開きます。画面上部に表示される「Status」セクションで、以下を確認してください:
確認項目 | 正常な状態 |
---|---|
変換方法 | 「Working converter found」 |
サーバー設定 | 「.htaccess rules working」 |
WebP対応 | 「WebP images are being served」 |
すべて緑色のチェックマークが付いていれば完璧。もし赤いエラーマークが表示された場合は、サーバー設定の見直しが必要かもしれません。
これだけ設定すればOK!WebP Expressの基本設定
インストールが完了したら、いよいよ設定です。といっても、難しい作業はありません。重要な設定は3つだけ。順番に見ていきましょう。
1. 「Alter HTML」のチェック一つで変換開始
最も重要な設定は「Alter HTML」機能です。これをオンにすると、既存の画像タグが自動的にWebP形式に置き換えられます。
設定方法は驚くほど簡単。設定画面で「Alter HTML」セクションを探し、チェックボックスにチェックを入れるだけ。
設定項目 | 推奨設定 | 効果 |
---|---|---|
Replace image URLs | ON | 画像URLを自動変換 |
Replace in content | ON | 記事内の画像を対象 |
Replace in meta tags | ON | メタタグの画像も対象 |
ここで注意したいのは、この設定を有効にすると即座に変換が始まること。実は、サイトの表示に影響が出る可能性もあるため、まずは軽い動作確認をおすすめします。
2. 画像変換の範囲を決める「General」設定
次に設定するのは、どの画像を変換対象にするかです。「General」セクションで細かく指定できます。
基本的な設定項目:
設定項目 | 推奨設定 | 理由 |
---|---|---|
Maximum file size | 無制限 | すべての画像を対象 |
Quality (JPEGs) | 85 | 画質と容量のバランス |
Quality (PNGs) | 85 | 透明度保持で最適化 |
Convert on upload | ON | アップロード時に自動変換 |
たとえば、「画質を最優先したい」なら品質を95に設定。「とにかく軽量化したい」なら70に下げるという選択肢もあります。
実は、品質85という数字は多くのサイトで最適とされる値。画質を保ちながら、十分な軽量化効果が期待できます。
3. 圧縮レベルを調整する「Conversion」設定
最後に、変換方法の詳細を設定します。「Conversion」セクションでは、サーバー環境に応じた最適化が可能です。
変換方法 | 特徴 | 適用条件 |
---|---|---|
cwebp | 高品質・高速 | サーバーにインストール済み |
Imagick | 標準的品質 | ほとんどのサーバーで利用可能 |
GD | 基本品質 | 古いサーバーでも動作 |
通常は自動選択で問題ありません。ただし、変換速度や品質に不満がある場合は、手動で変更することも可能です。
ここで重要なのは、サーバーの性能と相談すること。高品質な変換を選択すると、処理時間が長くなる可能性があります。
注意!遅延読み込み機能と組み合わせる時のコツ
WebP Expressを使う上で、最も注意が必要なのは他のプラグインとの相性です。特に「遅延読み込み」機能との組み合わせは要注意。正しく設定しないと、せっかくの効果が半減してしまいます。
1. Lazy Load機能が効かなくなる問題とは
遅延読み込み(Lazy Load)は、ページ表示速度を向上させる重要な技術です。ただし、WebP Expressとの組み合わせで問題が発生することがあります。
具体的には、以下のような症状が現れます:
問題の症状 | 発生原因 |
---|---|
画像が表示されない | HTMLの書き換えタイミングの競合 |
遅延読み込みが無効化 | JavaScript処理の干渉 |
レイアウト崩れ | 画像サイズの認識エラー |
実は、この問題は設定の順番で解決可能。WebP変換を先に処理し、その後で遅延読み込みを適用するのがコツです。
2. CocoonやLiteSpeed Cacheとの相性
人気テーマの「Cocoon」やキャッシュプラグインとの相性も要チェックです。特に注意が必要な組み合わせを紹介します。
プラグイン・テーマ | 相性 | 対策方法 |
---|---|---|
Cocoon | 要注意 | 遅延読み込みを無効化 |
LiteSpeed Cache | 良好 | 画像最適化機能をオフ |
WP Rocket | 要設定 | WebP機能を無効化 |
Autoptimize | 良好 | 画像処理順序を調整 |
たとえば、Cocoonを使用している場合は、テーマ設定の「画像の遅延読み込み」をオフにします。代わりにWebP Expressの機能を優先させるわけです。
ここで重要なのは、機能の重複を避けること。複数のプラグインで同じ処理をすると、予期しない動作が発生する可能性があります。
3. HTMLの書き換え方法を使い分ける設定
WebP Expressには、HTMLの書き換え方法を選択する機能があります。環境に応じて最適な方法を選びましょう。
書き換え方法 | 特徴 | 適用場面 |
---|---|---|
Picture要素 | 最も安全 | 標準的なサイト |
URLリライト | 高速処理 | キャッシュ有効環境 |
JavaScript | 柔軟性高 | 複雑なレイアウト |
実は、Picture要素を使った方法が最も安全で確実。ブラウザがWebPに対応していない場合も、自動的に元の画像形式にフォールバックしてくれます。
ただし、サイトの構成によっては他の方法が適している場合も。複雑なレイアウトやSPA(Single Page Application)では、JavaScript方式が有効です。
設定完了後の確認方法!本当に効果が出ているか調べよう
設定が完了したら、実際に効果が出ているか確認しましょう。「設定したけど本当に動いているの?」という不安は、簡単な方法で解消できます。
1. PageSpeed Insightsでスコアをチェック
最も分かりやすい確認方法は、Googleの「PageSpeed Insights」を使うことです。設定前後でスコアを比較してみましょう。
確認手順は以下の通り:
ステップ | 操作内容 |
---|---|
1 | PageSpeed Insightsにアクセス |
2 | サイトのURLを入力 |
3 | 「分析」ボタンをクリック |
4 | スコアとLCP値を確認 |
特に注目したいのは「LCP(Largest Contentful Paint)」の値。これは最大コンテンツの描画時間を示します。WebP化により、0.5〜1.5秒の改善が期待できるでしょう。
実は、スコアの改善には時間がかかる場合も。キャッシュの影響で、効果が現れるまで数時間待つ必要があるかもしれません。
2. 変換された画像ファイルの保存場所を確認
「本当に変換されているの?」と疑問に思ったら、実際のファイルを確認してみましょう。WebP Expressは変換後の画像を特定の場所に保存します。
保存場所 | パス |
---|---|
通常のアップロード | /wp-content/uploads/ |
WebP画像 | /wp-content/webp-express/webp-images/ |
FTPソフトやファイルマネージャーでアクセスすると、「.webp」拡張子のファイルが作成されているはず。ファイルサイズを比較すれば、軽量化効果も一目瞭然です。
たとえば、元画像が100KBだった場合、WebP版は65〜75KB程度になっているでしょう。この差が積み重なることで、サイト全体の高速化につながります。
3. ブラウザごとの表示確認のやり方
WebP対応状況はブラウザによって異なります。主要ブラウザでの表示確認は必須です。
ブラウザ | WebP対応 | 確認方法 |
---|---|---|
Chrome | 完全対応 | 画像を右クリック→「検証」 |
Firefox | 完全対応 | 開発者ツールで確認 |
Safari | 14以降対応 | ネットワークタブで確認 |
Edge | 完全対応 | F12キーで開発者ツール |
確認のコツは、開発者ツールの「Network」タブを使うこと。画像のファイル形式が「webp」と表示されていれば成功です。
ここで注意したいのは、古いブラウザでの表示。WebPに対応していないブラウザでは、自動的に元の画像形式が表示されるはずです。
よくある質問と解決方法
WebP Expressを使っていると、いくつかの疑問や問題が発生することがあります。実際のユーザーから寄せられる代表的な質問と、その解決方法をまとめました。
1. 変換に時間がかかる場合の対処法
「変換がなかなか終わらない」という相談をよく受けます。この問題は、主に以下の原因で発生します。
原因 | 対策方法 |
---|---|
サーバー性能不足 | 変換方法をGDに変更 |
大量の画像処理 | バッチサイズを小さく設定 |
他プラグインとの競合 | 一時的に無効化してテスト |
実は、変換処理はサーバーに大きな負荷をかけます。特に共用サーバーでは、処理時間に制限があるため注意が必要。
おすすめの対策は、夜間などアクセスが少ない時間に変換を実行すること。また、一度に処理する画像数を制限する設定も効果的です。
2. 一部の画像だけ変換されない時は
「なぜかこの画像だけWebPにならない」という問題もあります。原因はいくつか考えられます。
考えられる原因 | 確認方法 | 解決策 |
---|---|---|
ファイル形式の問題 | 元画像の拡張子確認 | 対応形式に変換 |
ファイルサイズ制限 | 設定の上限値確認 | 制限値を調整 |
ファイルパス問題 | 画像URLの確認 | パスの修正 |
たとえば、SVGやGIFアニメーションは変換対象外です。また、外部サーバーの画像も処理できません。
ここで重要なのは、変換対象の画像を明確にすること。WordPressにアップロードしたJPEGとPNGのみが対象と覚えておきましょう。
3. 他の画像最適化プラグインとの併用について
「すでに他の最適化プラグインを使っているけど、併用できる?」という質問も多いです。
結論から言うと、併用は可能ですが注意が必要。機能の重複を避けることが重要です。
プラグイン組み合わせ | 推奨度 | 注意点 |
---|---|---|
WebP Express + Smush | △ | WebP機能を片方無効化 |
WebP Express + EWWW | △ | 変換方式の競合に注意 |
WebP Express + ShortPixel | ○ | 役割分担で併用可能 |
実は、最も効果的なのは役割分担です。たとえば、WebP ExpressはWebP変換専用とし、他のプラグインは圧縮専用として使い分ける方法があります。
ただし、複数のプラグインを使うとサーバー負荷が増加します。定期的にパフォーマンスを確認し、本当に必要かどうか見直しましょう。
まとめ
WebP Expressは、WordPressサイトの表示速度向上に欠かせないプラグインです。設定は驚くほど簡単で、チェックボックス一つで劇的な効果を実感できます。
画像サイズが25〜35%削減されることで、サイト全体のパフォーマンスが大きく改善。SEO効果も期待でき、ユーザー体験の向上につながります。特に画像の多いサイトでは、導入効果は絶大でしょう。
ただし、他のプラグインとの相性や、適切な品質設定には注意が必要です。今回紹介した確認方法を参考に、サイトに最適な設定を見つけてください。サイト運営の成功に向けて、WebP Expressは強力なパートナーとなるはずです。